出産歴 と受診時期

過去に自然妊娠-出産歴があれば次の妊娠成立の期待値は上がります。
出産歴と相対妊娠率は下記に示します。 
1人   相対妊娠率1.44  
2人   相対妊娠率1.73 
3人以上 相対妊娠率1.86 

過去に出産経験が多い方が、次の自然妊娠もしやすいというデータです。
ただし以前妊娠した時よりは、次をトライする時は年齢的に妊娠しづらくなっているので、
年齢、不妊期間により適宜介入を検討しましょう。

性交渉の回数 と受診時期

日本は海外他国と比較して、カップルが性交渉をもつ回数がとても少ないので有名な国です。
Durex社が調査した “各国の年間性交渉頻度の結果” を抜粋したグラフを下に示します。
日本は調査国中群を抜いて低く、最下位でした。
平均すると3~4回/月という事になります。
どのような要因で少なくなってしまうのか、
どうすれば増えるのかは、日本として大きな課題かもしれません。

不妊治療希望で来院される場合も、
性交渉回数が少ないカップルが多数いらっしゃいます。
来院カップルの平均でいうと、国内平均よりも少ない印象になります。
当然、性交回数が低ければ妊娠チャンスも減り、長期間の不妊に悩むカップルも増えます。

回数が少なくなってしまう理由は、
精神的問題、身体的問題、生活スタイルの問題など、カップル毎に様々だと思います。
何かしらの理由があって性交渉をもちずらいカップルは、不妊治療施設に受診すると
無理に性交渉を沢山持つように強制されるのではと不安になるのではないでしょうか。
ただそのせいで治療開始を遅めているのであれば、
カップルとしての妊娠チャンスを減らしてしまうリスクもありますので、
早めに受診して相談を開始しましょう。

人工授精という方法であれば、
男性は射精精液を持参するだけ、
女性はチューブを用いて、調整精液を子宮内に注入するだけで実施可能ですので
双方にあまり負担はかからない不妊治療法になります。
自然妊娠よりも妊娠率はあがりますし、
妊娠するという目的においてはストレスなく開始できる方法かと思います。

性交渉自体をしっかりできるようにする、
例えば、男性の勃起不全、射精障害 などについては
男性不妊を専門に診ている泌尿器科に受診する事をお勧めします。