採卵後の流れ

採卵後の大まかな流れは下記の様になります。
採卵後に培養を進めていきます。
来院が必要となるのは、培養最終結果が出た後になります。
培養最終結果報告は、採卵日から 7日後 or それ以降で来院日に行います。

採卵日
卵子を採取し、精子と受精を試みます。
精子状況を確認し、事前に算段をつけた
体外受精(IVF)、もしくは顕微授精(ICSI)を行います。
※精液検査の結果は次回来院時にご説明予定です。


採卵翌日 (来院不要)
順調な経過であれば、受精トライ翌日に受精の兆候が見えてきます。
培養士が確認し、指定時間にお電話を入れさせていただきます。
あくまでも培養初期の途中経過報告になります。
電話にでれなくとも、その後の培養結果には影響しませんので
ご心配は不要です。
※受精結果は次回来院時に再度報告いたします。

培養3日 (初期胚) (来院不要)
順調であれば細胞分裂が進んでいきます。
理想的には6細胞以上まで分裂が進んでいることが理想です。 
ただし基本的には胚移植当たりの妊娠率向上を目的として、胚盤胞まで培養を行います。
次の最終結果が最も大事な情報とご認識下さい。
※初期胚経過は次回来院時にご説明予定です。

培養5~7日 (胚盤胞) 
順調であれば培養5.6日目に胚盤胞に分化します。
良好な胚盤胞に分化した胚のみを、胚移植に値する胚と判断します。
最終培養結果が出た以降の時期に、来院指示が出されます。
(採卵日の1週間後 もしくはそれ以降)
診察時に、①精液結果 ②受精結果 ③初期胚経過 ④最終結果
をご説明します。
仮になかなか来院ができなくとも、最終培養結果は変わりませんので心配はいりませんが、
次の治療周期に影響する可能性はありますので、
指定された日程前後で来院いただくことを推奨します。

胚凍結予定で、良好胚盤胞を凍結できていた場合は、
融解・胚移植周期に向けて動いていくことになります。
その場合は、再度看護師から胚移植周期のスケジュールをご説明いたします。

採卵周期(保険診療)における費用概算

採卵周期にかかる費用について説明します。
標準的な採卵-胚盤胞凍結する場合の概算を掲載していきます。
周期前半の周期開始日、卵胞チェックは検査、薬剤費用などがかかります。
周期後半の採卵当日、培養結果説明時には、処置費用が加算されるため、請求額が多くなります。
保険診療ですので、世帯年収により定められた月額負担額以上の保険診療費用は返還されます。
もしくは、事前にマイナ保険証、もしくは限度額適応認定証の取得をしておきますと
医院窓口で負担額を調整することが可能ですので、是非ご利用下さい。

採卵日以降にかかる処置費用は周期により変わってきますので補足説明をします。

採卵日にかかる費用  = 採卵 + タイムラプス 費用
採卵処置費用 に加え、当院では全例タイムラプスシステムでの培養を行っているため、
タイプラプス培養費用が請求されます。
タイムラプス費用は先進医療で認められた技術であり、自費診療で30000円となります。
※個数、培養期間は無関係での費用です。
※自費診療のため、保険診療での上限額とは無関係です。

・培養結果報告時にかかる費用 = 受精 + 受精卵培養 + 胚盤胞培養 + 胚凍結保存 費用

採卵後、次の診療日に胚培養結果の報告をいたします。
処置費用②~⑤が請求されます。
それぞれ、個数、方法により変わります。

② 受精方法がSPLIT(体外受精+顕微授精)の場合、顕微授精費用+6300円が請求されます。
③ 受精卵培養費用とは受精から初期胚までの培養のことです。
④ 初期胚から胚盤胞までの培養です。

採卵周期でよくある質問

どこまで保険診療が適応されるのでしょうか?

現在の保険診療ARTは、胚移植の回数により保険診療の上限が設定されています。
初回治療計画を行った時点での年齢により以下のようになります。
39歳以下 → 6回の胚移植が保険適応 +それに対応する採卵も保険診療
40歳~42歳以下 → 3回の胚移植が保険適応 +それに対応する採卵も保険診療

40歳になる前に初回計画を行うことで、最多回数を保険適応として行うことができます。
加齢による治療成績低下だけでなく、こういった社会的なことも加味して、
治療開始時期を検討しましょう。

採卵周期から、月経の出方、日数などが変わってしまったけど大丈夫なのか?

採卵周期含め、不妊治療においては、排卵誘発剤、女性ホルモン剤などを使用します。
これにより、排卵時期が変わるため月経周期が変わります
また、ホルモン状況も変わるため月経の長さ、量、色合いなどが
自然月経とは変わるのが通常です。
これらの薬剤は、通常使用周期のみに作用しますので、
薬剤を何も使わない周期が続けば、元の自然月経に戻っていきますので、
特に心配はいりません。

胚凍結の方針となった場合、胚移植を行うのは、いつ頃になりますか?

採卵周期では、安全性、妊娠率から、基本的に胚凍結保存となる周期がほとんどです。
胚を凍結保存できた場合は、後日に融解胚移植周期を行っていきますが、
大まかな目安としまして、採卵日から約2か月後が胚移植当日になります。
詳細は、胚凍結ができた時点で看護師から融解胚移植周期の流れをご説明します。