茨城県内で無痛分娩を取り扱っている施設のご紹介です。
詳細は各施設の紹介ページ、公式ホームページなどをご参考にしてください。

※厚生労働省ウェブサイトを参考に掲載
その他で実施施設がございましたら、情報提供宜しくお願い致します。

無痛分娩とは

無痛分娩とは、分娩時に生じる痛み(陣痛や胎児娩出時の陰部の痛み等)を麻酔により緩和させ、分娩時の母体へのストレスを軽減する分娩方法の事です。 陣痛が開始してから分娩に至るまで、数時間から半日以上かかる人もいますので、妊婦さんへの負担は相当なものです。 痛み等のストレスは緩和される一方で、母体、胎児それぞれにリスクが生じますので、よく内容を把握してから選択するべきだと思います。

麻酔方法としては、主に“硬膜外麻酔”が主流となっており、背中に麻酔注入用のカテーテルを留置し、持続的に痛みを緩和させる方式をとる施設が多いです。 実際には無痛とまではいかず、痛みを和らげる和痛であるという認識を持ってもらった方がよいでしょう。
海外では分娩の半数以上が無痛分娩となっている国もある一方で、日本では2016年時点で6.1%と徐々に増えてきている状況です。 昨今は安全性向上のため体制整備、ガイドライン作成がなされ、多くの施設で一定水準以上の無痛分娩管理ができるようになってきてはいるが、 一方で分娩に伴うリスクが増すという一面もあることは認識すべきと考えます。

無痛分娩のメリット、デメリット

メリットはわかりやすいと思いますが、デメリットについても主なものを記載します。
もちろん何事も起こらず無事に出産を迎えられる方がほとんどではありますが、 通常の分娩でも難産となることはあり、無痛分娩を選択することにより、そのリスクが軽微に上がることは認識をした方が良いかと思います。
生命に関わる事象として下記の①、② などが起こりえることは把握しておきましょう。 

メリット: 
 母体側
   ・ 分娩時の疼痛を緩和できる。
   ・ 体力の消耗を軽減できる。
 胎児側
   ・ 胎児へのメリットはなし

デメリット:  
 母体側
   ・ 直接的な合併症リスク
     ①高位脊髄くも膜下麻酔 
   適切ではない空間に麻酔薬が入ることで脳神経中枢側まで麻酔が効きすぎてしまう。
   呼吸停止、血圧低下や意識低下につながる可能性がある。
     ②局所麻酔薬中毒  
   麻酔カテーテルが血管内に迷入してしまうことで起きる。
   麻酔薬が血液中に高容量で入ることで様々な事象を起こす。
     ③硬膜外血腫、膿瘍 
   麻酔カテーテルの挿入、抜去に際して、麻酔部位近傍に血や膿をためてしまうことがある。
   神経に近い場所での合併症のため神経障害につながる可能性がある。
     ④硬膜穿刺後頭痛 
   髄液が漏出してしまうことででる強い頭痛。
   
   ・ 間接的なリスク
     ⑤分娩時間の延長、器械分娩の増加 
    陣痛を緩和することなどにより、分娩に要する時間が延びてしまったり、
    胎児を出す際に必要な “ いきみ ” が上手くできず、器械を使って引っ張って
    娩出(吸引分娩、鉗子分娩)をせざるを得ないことが増えます。
     ⑥ 弛緩出血、産道損傷の増加
    ⑤により、特に器械分娩により産道裂傷が重くなる可能性があります。
    通常は縫合で修復できますが、出血量が増えたり、治癒にかかる時間が延びたりします。     
    また、産後子宮収縮が不良となり弛緩出血を起こすと産後大量出血のリスクとなります。
   
 胎児側
     ⑦母体全身状態不安定による胎児
    例えば、母体が上記①を起こし血圧低下、呼吸状態悪化となれば、
    当然胎児への循環も不安定となり、母体状態が改善せず長時間経過すると
    胎児にもとっても危険となります。
     ⑧器械分娩による胎児損傷
    頭に血腫を作ってしまうことなどがあります。
    ほとんどは一時的なもので、吸収されてなくなります。

日本においても無痛分娩の門戸は徐々に広がってきており、受け入れ可能施設が増えてきています。
ただ、無痛分娩と一口にいっても、麻酔方法、開始時期、管理方法など施設ごとに異なりますので、
希望施設でよく話を聞いて、ご夫婦でよく相談してから決定しましょう。