日本国内では大小様々な産科施設があり、それぞれに役割分担があり、
施設ごとに密に連携をとって、周産期システムを構築しています。
※分娩施設の選び方に関する情報はこちらから

分娩施設の選択は、まずは自己判断で希望施設へ受診するわけですが、
妊娠中にアクシデントが起こりやすい妊婦であるハイリスク妊婦は、
医学的理由により高次周産期施設(周産期センター)での管理を
勧められる可能性があります。

ハイリスク妊婦の定義は、明確には決まっていませんし、
リスク管理が可能と判断するかはその周産期施設長が決定することになります。
そのため、最終的にはご希望の施設に行ってから相談すると良いと思いますが、
自身がハイリスク妊婦にあたるかどうかについては知っておいて損はないでしょう。

妊婦としてのご自身のリスクを把握しましょう。
高リスク妊婦であれば、大きい病院での妊娠管理を考慮しましょう。

妊娠中のリスク因子

妊娠中のリスクとなりうる因子を、高度/軽度に分けて記載します。
先ほども記載したように、産科医に共通した判断基準はないので、
この表から一概に、
高度周産期母子医療センターでないと管理できない、 とか
個人クリニックでも大丈夫、 などと決定することはできません。
目安として、ご自身がどの程度のリスクを、何個くらいもっているのかを把握していただき
施設選択に活かすようにしてください。

例1 : 42歳 初産婦 持病で高血圧 → 高度因子×2個 軽度因子×1個 
  → リスクが高いので高次施設がお勧め

例2 : 30歳 初産婦 軽度肥満(BMI27) 低身長 → 軽度因子×3個
  → 希望の個人クリニックがあるので、管理可能か相談に行ってみる。
    もしくは リスクが怖いので中次周産期施設を選択した。

高度リスクの中でも、項目により評価は大きく分かれます。
例えば、双胎妊娠であれば基本的に周産期センターでの妊娠管理となることが多いですが、
同様に高度リスクにあたる40歳初産なら受け入れてくれる個人産科施設もあると思います。
産科施設は、
1.ご自分たちの希望 
2.産科施設の受け入れ可否  で決定されます。
ご自身のリスクを把握し、まずは自分たちはどうしたいかをある程度決めるべきかと思います。
妊娠中リスクがあるのであれば、安全性を優先する(周産期センターで管理)のか、
それよりもハード面や、サービス面等を優先するのか、をまずは決めてみて
あとは希望産科施設で相談を行い、受け入れてくれるかを確認する流れとなります。