STEP1
新鮮胚移植実施が適切かの判断 ( 超音波検査・胚発育状況確認 ) 
指示された時間にはご来院下さい。 ( 10:20~10:30頃 ) 

当院では子宮、卵巣、胚の全てが良い状態でなければ新鮮胚移植は行いません。
その判断は、胚移植当日に行います。下記、a~d を満たしている場合に新鮮胚移植を行います。

a 子宮内膜がある程度以上に厚くなっている
   内膜が薄い状況であれば妊娠率が低下する可能性があるためです。
b OHSSが軽度以下である
   卵巣の腫大が強い、腹部膨満感、腹痛などの自覚症状が強い場合に胚移植をおこなうと
   妊娠成立後にOHSSはさらに重症化するため危険です。
c 胚移植の対象となる胚発育がある
   形態的に良好な胚が育っていることも必須条件です。 
d 事前に行ったホルモン検査で問題がない
   事前の女性ホルモン値により、胚移植が危険、もしくは妊娠率が低下すると推測された場合は
   キャンセルとなります。

STEP2
胚移植実施確定、薬剤のお渡し 

身体、胚の状態に問題がなく、ご本人様の同意が得られれば新鮮胚移植実施が確定します。
胚移植後から必要な薬剤をお渡しします。
本番準備のため一人目不妊側、 1階 、受付待合の黄色い椅子にかけてお待ちください。

STEP3
お着換え、入室準備

スタッフから声がかかりましたら、準備室にお入りいただき、お着換えなどをしていただきます。胚移植本番までもう少しです。当施設では、経腹超音波検査補助下に胚移植を行っています。そのため尿をある程度貯めていただく必要(限界の60-70%程度で十分です)があります。飲み物をご持参いただき適宜水分補給をして下さい。
※一般的に胚移植は、経腟超音波下に実施する施設が多いと思われます。当施設は成績向上のため非常に柔らかく、細いカテーテルを使用して胚移植行います。その場合、経腟超音波下には実施が困難となるため、経腹超音波下に実施しています。尿の貯まり方や、子宮の位置により経腟超音波下に実施する場合もあります。

STEP4
処置室入室 ( 11:45~13:00頃 )

採卵と同じ処置室で胚移植を行ってまいります。
胚移植は痛みはほとんどないことが多いです。  ※麻酔はしませんので、車でご帰宅可能です。
① アシスタントの誘導で処置台に横になっていただきます。
② 胚移植を担当する培養士が挨拶をさせていただきます。
ご本人確認を行います。 聞かれましたら氏名を大きな声でおっしゃって下さい。

③ 経腟超音波検査を行い、カテーテルの挿入方向などを確認します。
④ 診察器具を挿入し、腟内を清潔な温生理食塩水で洗浄します。
  採卵時と違い洗浄量も少なく、麻酔もしませんので痛みはあまりないと思います。
⑤ 試験的に子宮内にカテーテルを挿入していきます。
 痛みは挿入が難しい人以外は強くはありません。
~ これで胚移植の直前準備が終了になります ~

STEP5
胚移植実施

① 処置室内の顕微鏡用モニターで一緒に胚の確認をしていただきます。
  まずは胚の入った容器の氏名を読み上げますので、間違いがなければお返事を下さい。(下図 左)
② 上記容器内の胚を確認いただきます。 (下図 中央)
③ 胚移植に用いるカテーテルに胚を吸っていきます。 (下図 右)


④ 胚を充填したカテーテルが運ばれてきますので、超音波ガイド下に子宮内に挿入していきます。
  医師が良好な位置で子宮内に胚移植を実施していきます。

⑤ 胚移植実施後にカテーテルチェックを行います。
使用したカテーテルに胚が残っていないことを、培養士が顕微鏡にて確認し、
胚移植を完了とします。 (30秒前後かかります)

※カテーテルチェックの意義
カテーテル内部の構成は下図のようになっています。
培養液と胚のエリアの前後に、空気を少量ずつ吸っています。超音波にて空気は白く光って見えるため、空気の前後2層を目印として子宮内に培養液(胚が含まれる)を注入したことを確認します。胚自体は超音波では見えないため、注入が終わったカテーテルを顕微鏡で観察し、胚がカテーテルの側面などにくっついていないかを確認します。
約1%の確率で、胚のカテーテル内残存が起こりますので、
その場合は、再度上記胚移植実施の工程を行っていきます。
培養液内での残存ですので、工程を繰り返しても妊娠率は下がりませんのでご心配はしないでください。

※ご帰宅が可能になる時間は13時前後です。 (順番、混雑状況により前後します。)