子宮卵管造影とは造影剤を使用し、透視下に卵管の通過性を見るための検査です。
女性が受ける重要な不妊症基本検査の一つです。

子宮卵管造影検査(HSG)の概説:
子宮の出口部分にカテーテルを挿入し、そこから造影剤を流していきます。
造影剤は通常であれば子宮を通り、卵管に入り、腹腔内へ到達します(矢印)。
造影剤がうまく流れていかない場合は、その部位に閉塞・狭窄が疑われるため
その有無を確認していく検査です。
当院では、超音波検査用の造影剤を用いてHSGを行います。
一般的なX線下でのHSG検査と比較して、刺激性が低いため痛みが軽い、
またX線被曝がない等の利点があります。

検査に伴う合併症について

検査により発生する可能性がある合併症等を以下にお示しします.

1)造影剤によるアレルギー症状:
造影剤に対するアレルギーをたまたまお持ちであれば、
発疹などの皮膚症状をはじめとするアレルギー症状や、
まれにショック等の重篤な副作用があらわれることがあります。
当院で使用している超音波検査用造影剤ではアレルギー反応の報告は非常に少なく、
滅多に起こらない合併症と予想されます。

2)骨盤腹膜炎、感染症:
造影剤を腹腔内まで流入させるため、
まれに感染症、骨盤腹膜炎、それに起因する卵管周囲癒着を起こす可能性があります。
予防のため抗生剤を使用させていただきます。

3)疼痛:
カテーテル挿入時、造影剤注入時に痛みを感じる可能性があります。
超音波検査用の造影剤ですので刺激性は低いですが、ある程度の痛みがでることは想定されます。痛みのせいで検査が行えないという方はほとんどいませんが、無理し過ぎる必要はありませんので、あまりに辛い場合はおっしゃってください。
力を抜き、リラックスして検査に臨む方が痛みは軽減できます。
多くの方は、ちょっと痛かったくらいで済む検査ですので緊張しすぎないようにすることも重要です。

検査における留意点など

  • 医師から指示された日程で予約をお取りいただき、同意書に記載された時間内でご来院下さい。
      検査は平日かつ指定時間内でのみ可能です。
  • 検査日までは念のため避妊をしておいて下さい。
  • 検査直前の食事は軽めにお願いします。
  • 検査後には出血が付着しますので生理用のショーツ、ナプキンを持参してください。
  • 検査当日には、同意書に署名のうえご持参ください。
  • 検査費用の約27,500円(税込み)が当日必要となります。

※ご不明点・質問などがございましたら、当日医師へご確認下さい。