超音波検査にて排卵時期が確認できますと人工授精の日程が決まります。
日程決定時に、当日に必要な物品や、注意事項の説明を看護師よりさせていただきます。

このページでは人工授精当日の具体的な流れを供覧します。

  1. 精液の受取 
  2. 精液の調整
  3. 精液調整結果のご説明 
  4. 人工授精の実施 
  5. 時間帯について

1 精液の提出

自宅採精 : ご自宅で採精をしていただき、精液の入ったカップをご持参いただきます。
院内採精 : 来院後 採精室へご案内いたします。
精液提出場所 : 1階 培養室前受取口 へ提出をお願いします 。 

禁欲期間は2~6日程度を推奨しています。
人工授精当日がそうなるように事前からコントロールしておきましょう。

精液提出は基本自宅採精でご持参いただくことをお勧めしています。
射精してから30~60分ほど静置しますと精液は液化し、人工授精にむけて精液の調整を始めることができます。
院内での採精ですと、
採精 → 静置して液化待機 → 精液調整 →調整液を人工授精 
と実施するまでにお時間がかかってしまうため、遠方にお住いの方以外は基本的に自宅採精をお勧めしております。
(採精室をご利用の方は AM9:00~10:00を目安にお入りいただくことが多いです。)


射精後・クリニックへの提出までの時間は1、2時間までを目安に推奨しています。
精液は射精後に運搬いただき、ある程度速やかにクリニックに提出をしていただけると良いでしょう。
射精後提出までに2時間以上経過してしまう場合、徐々に精子の運動率は落ちていくことが予想されますが、2時間を超えたら絶対にダメというわけではありません。
元々の精液所見が良好であれば、射精から長時間が経過しても、十分な運動精子を戻すことができることもありますので、時間調整が困難な場合は医師にご相談下さい。
精液提出可能時間帯は下記を参照ください。

2 精液の調整

精液が液化したことを確認し、培養士が精液の調整を開始します。
当院では遠心分離を行わない運動精子調整法 ( ミグリス法 ) にて精子を調整することで、
人工授精の成績を向上させています。
※男性の感染症検査陽性の場合には、女性への感染予防の観点から従来式の調整法を選択させていただきす。
この工程で精液提出から1~1.5時間ほどかかります。

3 精液調整結果のご説明

精液の調整が終わりましたら、診察室にて調整前後の精液所見をご報告させていただきます。
調整結果が良好であれば、予定通りAIHを実施する運びとなります。
調整後精液所見が不良の場合は(実施しても妊娠に至ることができないと予想される場合)、
キャンセルを提案させていただくことがあります。

4 人工授精(AIH)の実施

内診室にお入りいただき、まずは注入予定の調整精液検体が間違なくご自身のものであるかの確認を行います。
スタッフ2名、ご本人様のトリプルチェックにて取り違いを防止しております。
※必ずご自身でもお名前に間違いがないかをしっかり確認してください。

検体の取り違えがないことを確認しましたら、清潔な生理食塩水にて膣内を洗浄します。
細いチューブを子宮口から数cm進め子宮内に調整精液を注入します。
※処置後は、チューブの摩擦により数日間出血が付着することや、 
子宮への物理的刺激、精液内の刺激物質により、子宮収縮を誘引し下腹部痛を自覚されることがあります。
基本的に安静での経過観察、場合により鎮痛薬の使用を行ってください。
受精卵として着床するのは約1週間後なので、児への影響は考慮しなくて大丈夫な時期です。

時間帯について

下表は、精液の受取可能時間と、精液提出から実施までの所要時間目安になります。
曜日により選択可能な時間帯が変わりますので、ご留意ください。

※待ち時間にクリニックから離れる場合は、外出の手続きを必ずお取りください。
不明な場合は受付にお声かけ下さい。